リハビリテーション学で学べることって?

いろいろな疾患によって生じた脳や神経、筋などの機能障がいや能力障がいを判断・治療し、患者さんが身体的・精神的に満足のいく社会生活を送れるようにサポートするための専門医学分野、それがリハビリテーション学です。全人間的な医学や医療をめざすもので、治療医学・予防医学に次ぐ第三の医学といわれています。基本的な目的は機能回復のための訓練ですが、訓練を通じた人間の回復や社会復帰といった重要な意味も有しています。

リハビリテーションの対象になる疾患は脳卒中や脳腫瘍などの脳疾患、脊髄損傷や頚椎症などの脊髄疾患、パーキンソン病などの神経変性疾患、骨折や関節リウマチなどの骨関節疾患、ギランバレー症候群や顔面神経麻痺などの神経筋疾患、心筋梗塞や心不全などの心臓疾患、脳性麻痺や発達遅滞などの小児疾患、がんや胸腹部外科手術などの廃用症候群…と多岐にわたります。特殊な診療技術としては臨床筋電図検査、技師装具外来、ボツリヌス注射や神経ブロックなどが挙げられます。高齢化社会や医療改革の中で、リハビリテーション学のニーズは高まっています。幅広い疾患や障がいに対応していくことで、チーム医療をリードできる人材になっていけることでしょう。

このリハビリテーション学の知識を活かせるのが作業療法士。身体や精神に障がいを持つ人や、加齢によって身体機能が落ちた人の身体機能や応用動作の回復を図ったり、精神面のケアをしながら治療や訓練を行ったりします。実際の生活場面を想定した日常生活の動作訓練や創作活動などを通して、身体の動きや道具の使用、動作手順などを認知機能に働きかけていきます。医学的知識をもとに、それぞれの生活スタイルに合わせて自立した日常生活が送れるようにサポートするエキスパートです。

作業療法士は4年制の大学・短大・専門学校はもちろん、今後開学する予定のリハビリ大学でめざすことができます。リハビリテーションに関する正しい知識、そして即戦力として働くためのスキルを身につけることで現場でもすぐに活躍できることでしょう。